生前贈与の活用方法と相続問題

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相続問題が富裕層だけでなく、一般家庭にも広がってきた背景として相続税改正が大きく影響している近年ですが、相続税が増額になりその対策として「生前贈与」を行なう人が増えています。
誰だって大切な子どもや孫に少しでも多くお金を残してあげたいと思うものですよね。
ただ財産を相続させるだけの場合、残っている総額に対して全額が税金として徴収されてしまうのであれば尚更です。

そもそも生前贈与とはどのようなもので、生前贈与を選択することであなたや受け取る側にはメリット&デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

また生前贈与の上手な活用法など意外と知らない生前贈与についてわかりやすく説明します。あなたは生前贈与について上手に活用できている・知っている自信がありますか?


■そもそも生前贈与とは?

生前贈与が通常の贈与と何が違うのかというと名前の通り、生きている間に財産を贈与することをいいます。本来亡くなってから財産を相続人に渡すのが一般的な流れになりますが、財産のうちの一部を生前に渡しておくことで「相続税」の減税をすることができるのです。相続税とはトータルの総額に対してかかってくる税金なので、少しでも減らしておくことが節税対策には重要なのです。

とはいえ生前贈与をすると全く税金がかからないわけではなく、「贈与税」はかかりますので注意してくださいね。「相続税」と「贈与税」の金額で比較した時に贈与税の方がお得になることから、孫や子どもの為にお金を残したいと考えている人たちから生前贈与の形を取る人が増えているのです。


■生前贈与の方法にはどのようなものがあるの?

生前贈与には実際2つの贈与方法があります。生前贈与を行ないたい対象によっても選択できる幅が変わってしまうのですが、「一般贈与」と「相続時精算課税制度」の2種類となります。この2種類の生前贈与の方法にはどのような点に違いがあるのか詳しくみていきましょう。


(1)一般贈与

一般贈与は生前贈与のなかでも特に多い方法になります。別名「暦年課税」ともいい1月1日~12月31日までの1年間で、毎年贈与をしていく方法になります。贈与を受ける一人あたりの金額が年間で110万円まで基礎控除として設けられているのでこの金額内であれば、贈与税を支払うことなく全額を贈与することができます。もちろん生前贈与をする側も、財産がトータルで考えた時に減っているので、節税対策ができるというわけです。まとまったお金を一気に生前贈与してしまうと税金ばかりが高くなってしまうので、一般贈与をすることでお得に財産の分与ができるというわけなのです。しかも一般贈与の場合、対象者が子どもや孫でなくともできるので、生前贈与をしたい人が希望すれば誰に対しても贈与できる方法になるのです。


(2)相続時精算課税制度

この制度は2500万までの「特例控除」ができます。まとまったお金を渡すことになるのでまさに生前贈与というイメージが強いものでもありますが、この2500万円を超えない限り贈与税の支払いがないことは大きいですよね。生前贈与を行ないたい者が余命宣告を受け時間がないなどの場合、この相続時精算課税制度を使う場合があるそうです。2500万円を超えてしまうと一律20%の贈与時がかかってしまいます。名前の通り相続が発生した時(亡くなった時)に相続税が発生しますが、同時に贈与税も発生し一緒に精算をする流れになります。ただしそれまでに収めている贈与税に関しては相続税と総裁されることになります。
この相続時精算課税制度の場合、財産を受け取る対象者が限定されています。生前贈与を行なうものは60歳以上であること、その者の子どもや孫であり20歳以上(贈与があった年の1月1日の時点で)の場合のみ、受け取ることができるとされています。この制度を利用した時は、税務署にて所定の手続きを行なう必要もあり、本人が窓口に行って手続きができないと委任状やらなにやら手続きが面倒になってしまうことも。対象者であれば財産を受け取る人数などに制限はありませんので、安心してくださいね。

どちらの方があなたの希望する生前贈与の形なのかはもちろん、生前贈与を行なうその人によって異なるはずです。途中で待った!ができないからこそ、しっかりと検討した上で少しでも多く生前贈与を残してあげられるようにしたいものですよね。


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■実はこんな生前贈与の方法も!

一般的な生前贈与の内容は前述で紹介した「一般贈与」か「相続時精算課税制度」の方法になりますが、限定的な方法にはなりますがこんな生前贈与の方法もあります。

(1)孫やひ孫への教育資金

生前贈与のなかには直径尊属に限り教育資金として1500万円までを非課税として生前贈与することが認められています。孫でもひ孫でも使える制度になりますが、年齢が30歳迄という条件があります。30歳未満であれば生後間もない赤ちゃんでもこの対象になります。ただし期限が決まっており平成31年(2019年)3月31日までとなります。

この教育資金に関しては直接受け取るものではなく、信託銀行に預ける契約を交わすことになります。その為教育資金以外の用途ではお金を引き出すこともできませんので、生前贈与をする側も別の用途に使ってしまうのでは!?といった心配をすることがなくなります。

孫やひ孫が30歳までの期間に使い切ったお金に関しては一切の税金がかかりませんが、30歳を越えた時に残っている教育資金に関しては贈与税がかかる仕組みになっています。また一体教育資金として贈与してしまうと、後になって変更したい時でも払い戻しができないこと、教育資金として使用したことが照明できる領収書やレシートの提出が必須となります。この生前贈与のいいところとして一括で高額なお金を孫やひ孫に贈与できるというポイントでしょう。また亡くなる3年未満であっても税金の対象となることはありません。


(2)子ども・孫やひ孫に結婚資金・子育て資金

20歳~49歳の子どもや孫に対して「結婚資金」「出産資金」「子育て資金」を一括で贈与する方法のことをいいます。「結婚資金」「出産資金」「子育て資金」に関しては1000万円まで、結婚資金のみの場合300万円までであれば受け取ることができます。こちらの制度に関しても平成31年(2019年)3月31日までとなります。所定の金融期間にお金を預けて管理を委託しなくてはいけません。実際に結婚資金や出産資金、子育て資金に使用した場合は領収書やレシートなどの証拠を提示しないと、そのお金を使用することはできません。

実際この制度に関しては子どもや孫が50歳になるまでにあなたが亡くなってしまうと、その時点で相続税がかかるとうになります。メリットとして子どもにこのお金を贈与している場合、その子どもが先に亡くなった場合は「代襲相続」として孫が相続することになりこの代襲相続の場合は相続税の金額を抑えることができます。本来であれば2割加算での支払いが必要になりますが、この場合は加算される心配はありません。

このように子どもや孫・ひ孫に「教育資金」「結婚資金」「出産資金」「子育て資金」などの限られた用途にはなってしまいますが、少しでも財産を残してあげたいと思うのであればこのような制度を使うのも一つの方法だといえるでしょう。もちろん自由度が多いお金の方がいいのでは?と思うのであれば一般贈与や相続時精算課税制度を用いることもできます。いずれの方法がいいのかに関しては弁護士や税理士などの専門家に相談するのをおすすめします。後から変更が効かない制度であれば尚更です。


■不動産の生前贈与の方法もあります!

生前贈与の場合、決してお金ばかりではありません。例えば財産が家や土地なんてこともありますよね。その場合生前に所定の誰かにその家や土地を贈与することもできます。ただし不動産の生前贈与に関しては事前に行ったから必ずしも特になるとは限りません。

まず不動産の生前贈与の場合は自由に贈与したい相手を決められます。生前贈与をすることで財産を減らして相続税対策もできますし、手続き自体はそこまで大変ではないので短期間で生前贈与を行なうことができます。ですが不動産の生前贈与NOVA合う、土地や建物の価値はその時の市場によって大きく変わり、なかには予定したよりも高額な税金がかかってしまうこともあります。不動産の所得税など別途費用がかかることも忘れてはいけません。

もし生前贈与で不動産を考えているのであれば前述の相続時精算課税制度を使用するのがおすすめです。一般贈与になると年間の基礎控除額が110万円となり、長時間かかってしまうことも考えられます。高額なお金は動くので相続時精算課税制度を利用した方が懸命だともいえるでしょう。実際に建物や土地の価格は常に変動しているのでこの方法になればある程度相場が変わっても損をする心配はなくなります。

また不動産の生前贈与を行なう場合基本的にかかる税金に対しての軽減措置はありません。ですが「住宅取得」「住宅用地取得」などの条件に該当する場合のみ、軽減措置の対象となることもあります。わからないからとそのままにしてしまうことはないようにしてくださいね。


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■生前贈与の注意点とは

生前贈与にはすべてがいいことばかりではありません。実際にこれから生前贈与を行ないたいと考え検討しているのであれば、注意点に関しても調べておくことで後悔のない生前贈与ができるはずです。


【生前贈与は契約書が必要になることも】

生前贈与といえども相続人同士で勝手に行えるものではありません。贈与=契約になりますが「贈与契約書」という形で所定の書類を作成することが必須となります。どちらにもその生前贈与を行なう意思に相違がないことを証明するものになり、法的に認められる書類として作成するなら、遺言書と同じく「公正証書」を作る必要があります。

公正証書とは亡くなった後に遺産相続などのトラブルが起きないように、信頼できる第三者の手によって遺産などをどうしたいのか遺言書を残すことです。亡くなるまでは公証役場で保管してくれること、ただ書面にかんたんに記載したような遺言書よりも効力があります。ただし作成するには段階も必要ですし、専門家に依頼することもあり、別途費用がかかります。


【生前贈与は全く負担がないわけではない】

他にも生前贈与というのは本来「長い期間多くの人に財産を贈与する」ことを目的としています。その為一括ではなく分割が基本のスタイルとなります。さらに毎年少しのお金にはなりますが贈与税の先払いも必要となります。これが生前贈与を受け取りますよという意思の提示にもなるのです。その為贈与税も負担することはできません。子どもや孫が可愛いあまり贈与税まで支払ってしまうと違反となってしまいます。


【生前贈与がトラブルにならない為に】

また生前贈与は間違えた方法で行ないやすいものです。例えば一括で贈与した時に、受け取る側の名義の口座に毎年お金を振り込んでいた場合でも、その管理をあげる側がしていて、何かのきっかけに通帳や印鑑を手渡しした場合は、高額な贈与税がかかってしまうこともあります。お互いの合意があってはじめて生前贈与は成立するものです。子どもや孫に必ず生前贈与をしたことを認識しておいてもらうことも重要です。

生前贈与の場合はあくまでも受け取る側が自分で管理しなくてはいけません。さらに祖父母の両方から財産を受け取った場合も、受け取る側の一人あたりの金額になりますので基礎控除額を超えていれば贈与税の支払いが必要になってしまいます。

生前贈与に関しては少しややこしいこともあるので、もし自信がない、不安だなと感じる時は専門家に頼るのが正解かもしれません。もちろん正しい方法で生前贈与ができている場合は、メリットも多く余計な税金を減らし相続することもできるのでお得な制度であることも忘れてはいけませんね。


■生前贈与を上手に活用する為に

生前贈与を上手に活用する為にはまずはその仕組について知ることが重要です。一般贈与と相続時精算課税制度があること、それに伴い自分が贈与をする時にどちらの方がメリットも多いのかまた節税対策になるのか見極める必要もあります。さらに手続きも必要になりますので手続きの方法を間違えてしまえば、あとになってトラブルを引き起こす結果になってしまうことも忘れてはいけません。制度で定められているので「間違えて手続きしちゃった」なんてことになっても取り返しがつかなくなってしまいます。

生前贈与について困った、専門家に聞きたい時は市区町村の役所で定期的に「弁護士による無料相談」なども行っています。ただしその相談会に関しては輪番制になるので必ずしも生前贈与に特化した弁護士が来るとは限りません。弁護士によっても得意・不得意の分野があります。ですが勝手に進めてしまうよりかはこの無料相談を上手に使った方が後になって後悔のない生前贈与ができるはずです。相続税や贈与税などの節税に対しても相談に乗ってくれますので上手に活用するようにしましょう。

生前贈与は上限額が決まっていますが子どもや孫に有効的に財産を残してあげる手段にもなります。その為、上手に活用して税金を減らし財産を残してあげるようにしましょう。教育資金や結婚資金・出産資金・子育て資金などで残すこともできますし、不動産として生前贈与することもできます。生前贈与の方法は選択肢次第ではさまざまな方法があるのを忘れないようにしましょうね。

また生前贈与はできるだけ自由度の高いお金であることが重要です。どのような手段が一番いい方法になるのかじっくりと検討してみてはいかがでしょうか。

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